できるだけ抜歯せずに治療を「根管治療」
根管治療とは
歯の中にも全身と同じように神経があり、痛みや冷たさを感じています。神経まで達する大きい虫歯は、神経を除去する治療を行います。虫歯を取り除き、神経まで達していたら神経のお部屋である根管の治療をします。歯科治療の中でも根管治療は、非常に難易度が高いとされています。最終的な充填物は、根管内のお掃除を重ねて、中がきれいな状態になってからです。その後、土台を立て、その上に被せ物をします。
当院の根管治療の特徴
歯科医の検査・治療体制・技量により、根管治療の成功率に差が現れます。
歯科用CTによる精密な検査
患者様によって、外から見えない歯根の形は異なります。場合によっては、歯根や病巣の状態を知るために歯科用CTを使用します。
デジタルレントゲンは、フィルム式レントゲンより解像度が向上しており、見えない箇所も正確に認識でき、治療に活かすことが可能です。また、放射線被ばく量も軽減するので、身体に優しいレントゲンになっています。
立体画像が分かるCTの撮影は、歯根の本数や形、病巣の範囲、有無などを鮮明に写します。
マイクロスコープ
「ネクストビジョン」による
正確な処置
ネクストビジョンはモニターを見ながらルーペで確認できない深部まで治療可能です。治療患部をモニターに2K画像で30倍、4K画像で80倍の高画質、高倍率で映し出せるので、深部までしっかり把握ができます。治療患部をモニターで拡大し、確認しながら高精度の処置が行えます。根管内部や歯間、歯面の状態を正確に捉えることができ、様々な症状にも的確な治療のご提供が可能です。
裸眼よりも高倍率で拡大可能な歯科用マイクロスコープの活用で、正しい虫歯の除去や根管内の徹底的な消毒・洗浄ができ、治療の成功率も高まります。
神経のない歯の寿命は短い!?
根管治療は、虫歯が進行し、歯の中の血管や神経などの組織が死んだ場合に行う歯根治療のことであり、当院は「神経がなくなると、歯の寿命は短くなる」ことを以前からお伝えしております。
神経がなくなると歯に栄養が行かなくなり、治療を重ねるほど歯は少しずつ小さく薄くなり、枯れ木のような脆さになります。
神経を取るデメリット
1.再発する可能性がある
歯の神経がなくなっても、細菌感染により根の先に膿の袋ができ、腫れや痛みを生じる可能性があります。
2.歯が脆く・割れやすくなる
歯の神経がなくなると歯に栄養が届かなくなり、歯は枯れ木のように脆くなります。個人差がありますが、歯ぎしりや食いしばりにより、歯が割れやすくなる場合もあります。
3.歯の痛みを感じない
自覚症状が少ないので、虫歯が進行しても気づきにくいです。
定期的に歯の検診を受診しましょう
神経まで到達するような大きい虫歯を作らないためには、適切なブラッシングと定期検診が重要です。定期検診にお越し頂いて、今ある健康な歯を虫歯にしないようにしましょう。当院では、神経まで虫歯が進んでいても根管治療が可能ですので、是非ご相談下さい。
治療の流れ
神経がある場合
抜髄根管治療
虫歯で歯髄(根管内部の血管や神経などの組織)の炎症が起きている場合は、麻酔後に歯髄を除去します。
- ファイルやリーマーなどの特殊な器具を使用し、歯髄を除去して、根管を洗浄します。
- 薬を根管内に入れたまま、仮蓋をします。症状が消えるまで、1~2週間ごとに治療を繰り返します。
- 症状が消えたら、細菌などの汚れが入らないように、歯科用の特殊な材料で封鎖します。レントゲンで根管の状態を確認して、治療終了です。
神経がない場合
(歯髄が死んでいる場合)
感染根管治療
治療終了した歯根の先に膿の袋がある時や、根管内の血管や神経(歯髄)などの組織が虫歯で死んでしまって、歯根の先に病巣がある時に行います。
- 根管の掃除を、専用の器具であるファイルやリーマーを使用して行います。
- 根管の中に、お薬を入れ、仮蓋をする処置を、1~2週間ごとに繰り返して、根管内を消毒します。
- 症状や病巣が消えたことを確認してから、細菌などが侵入しないように歯科用の特殊な材料で封鎖します。レントゲンで根管の状態を確認して、治療終了です。
根管治療のQ&A
根管治療後に痛むことはありますか?
治療時の刺激などで、周りの組織が敏感になり、痛みを感じることがあります。しかし、治療を重ねるごとに症状は軽くなります。
症状が長引く場合や強い痛みが出ているときは、一度ご相談下さい。
根管治療では通院は何回必要ですか?
何回かに分けて根管内の消毒や洗浄を徹底的に行う必要があり、通院回数はどうしても多くなってしまいます。治療回数は、歯の状態や病巣の大きさ、患者様の状態にも左右されます。
根管治療は100%成功するものでしょうか?
残念ですが、100%成功するとは言い切れません。いろいろな要素により数か月から数年後に再発するケースもあります。
当院では、ネクストビジョン、歯科用CT、ニッケルチタンファイルなどの活用で、可能な限り成功率を高められるよう努力しています。